良いインフレは実現したか 好循環が続く条件探る
物価を考える 第3部 試される持続力 まとめ読み
30年続いた停滞から抜け出し、日本経済は物価と賃金が上がる「普通の経済」に近づきつつあります。連載企画「物価を考える」の第3部は、この好循環が永続できるかどうか、その条件とは何かを探りました。
写真撮影代も値上げ 動かぬサービス物価、雪解けの兆し
「値上げすると知っていたら、もっと早く来たのに」。4月末、日本橋高島屋の写真館に夫婦で訪れた関野雅智さん(31)はちょっぴり肩を落とした。4月から2人以上の撮影料金が1万3200円から1万5400円に上がったためだ。
入籍したのは昨年3月。新型コロナウイルスによる自粛ムードが完全に晴れるまで結婚式の準備を待った結果、新婚記念の写真代は少しだけかさんだ。...記事を読む
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賃上げ、インフレの起点に 業績向上のドア開く
「営業活動の最後は人と人との会話で決まる。多少無理をしてでも、企業の発展には賃上げを進めていくべきだと思う」
ドアハンドル製造・販売のユニオン(大阪市)は今年、5%賃上げした。来年もベースアップと定期昇給で合計2〜3%、業績が良ければそれ以上の賃金アップを社内外で表明する。
複数年の賃上げを進める立野純三社長は「働く人にも喜んでもらい、育っていってほしい」と話す。価格転嫁も進めており、今年は平均5%値上げした。...記事を読む
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円安ニッポンだからこそ 工場は国内に、コメも積極輸出
化粧品のODM(製造開発受託)で世界大手の韓国コスマックスが日本に新工場をつくろうとしている。25年以降の着工を予定し、化粧品会社から生産を請け負う。日本に供給するだけではなく、韓国や中国といったアジアから欧米まで輸出を視野に入れる。
グループ売上高が約3000億円の同社はこれまで中国や韓国などで化粧品を生産してきた。日本法人の魚在善社長は「円安は輸出に追い風だ」と説明する。...記事を読む
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地方のインフレ、観光・半導体が先導 賃上げ体力に格差
イチゴ1箱1万円超、マンゴー1個1万6000円。沖縄県唯一の百貨店リウボウ(那覇市)は3月、店内に高級フルーツ店を開いた。4000円近いフルーツパフェを注文したドイツ人観光客のデットレブ・モーマンさん(62)は「とてもおいしい。価格は問題ない」と笑みを浮かべる。
以前は沖縄に贈答用の箱入り高級フルーツを本格的に扱う店はなかったという。「高くても価値があれば顧客は買う」とリウボウ運営会社の糸数剛一社長。追い風は観光需要の拡大による経済成長への期待だ。...記事を読む
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